
下久根農家組合と羅賀の交流会

9月21日、田野畑村で「下久根農家組合と羅賀の交流会」が開催されました。盛岡の下久根地区の農家組合は約30名で羅賀荘を訪れ、津波語り部ガイドの下坂弘次さんの講話のあと、羅賀の漁師さん二名をお招きして懇親会を行いました。参加者は農業・漁業の話をしたり、一緒にうたったりして交流を深めました。
まずは、盛岡市下飯岡地区の下久根(したくね)農家組合の皆さんと、下坂弘次さんの講演をお聴きしました。下坂さんはスクリーンに写真や資料を映しながら、津波のメカニズムや田野畑村の 具体的な被害について語ってくださいました。


会場と なったホテル羅賀荘も、実際に津波の被害を受けたのち、改修工事を経て営業が再開された建物のひとつです。震災当時の避難状況や、営業再開にまつわる地域の皆さんのドラマまで、様々な体験談をお聞きすることができました。
講演の後は、新鮮な魚介類が豊富な羅賀荘のお食事をいただきながら、下坂さんをはじめとする3名の漁師さんにご参加いただき、懇親会を行いました。後半はカラオケを交え、参加者のうたや踊りに笑顔があふれました。羅賀の漁師さん方もうたったり、参加者とゆっくり話す場面がありました。


盛り上がる会場を抜けて喫煙所で一服。写真右は農家組合長の佐藤安正さん、中央は羅賀の漁師の中村房永さんです。窓から一望できる羅賀の漁場(左下写真)を眺めながら「あそこの黄色い浮きがあるところが昆布…」と説明する中村さん。
農業・漁業の関係についても話題にあがりました。廃棄される帆立の貝殻を砕いて畑の肥料にしている事例のように、新しい発想や工夫次第で相互に有益な協力関係を生み出す、その可能性がここにも眠っているかもしれません。


写真右は羅賀の漁師の川畑州作さん。震災の当日、地震の揺れの後にあえて船で沖に出たことで津波の被害から逃れたそうです。発災時の難しい判断を乗り越えた、漁師さんの知識と経験でした。
お元気で!
最後のあいさつで下久根の佐藤組合長は「これをきっかけに今後ますます交流を深めたい」と話してくださいました。苦も楽も分かち合う気持ちが導いた出会いでした。
盛岡から産地直送で持ち寄った新鮮な野菜やもち米などの農産物を漁師さん方にお持ち帰りいただきました(下写真)。
