
復興教育学習会

「復興教育学習会」は、大槌町立大槌中学校から鈴木利典校長と3年の臼澤光さん、2年の新田亮介さんの三名をお招きして、盛岡市立土淵中学校で行われました。参加者は土淵小(6年)・中学校、それにPTAや地域の皆さんです。今回は三部構成の講演という形で、三名には大槌の語り部となっていただきました。
第一部、鈴木校長は子どもたちにもわかりやすく、しかし被災地の厳しい現実をぼかすことなくしっかりと語ってくださいました。写真のスライドショーをスクリーンに映し、この建物のここまで波が来た、ここでは何人逃げて何人亡くなったなどという解説もあり、子どもたちをはじめ、皆さん息をのんでお話に聴き入っていました。テレビや新聞などの間接的な情報ではなく、よりリアルな現場の声を聴くことで、震災の傷跡を改めて実感することができた方も多かったのではないでしょうか。


第二部では、臼澤さんと新田さんが、同じくスライドショーを用いて学校生活の様子やどのような支援を受けたかについて紹介しました。今回のように、自分の住む地域を出て、自分たちが頑張っている姿や笑顔で暮らしている姿を報告することで、支援してくれた人たちへの感謝の気持ちを伝えたい、と話しました。紹介された写真はどれも生徒たちの生き生きとした表情を映しており、見ている私たちこそ励まされている思いでした。
発表の後の質疑応答では、はじめ数人の生徒が手を挙げて感想を述べたのをきっかけにして、小中ともにどんどん手が挙がり、励ましの言葉や感謝の言葉を述べていました。最後は土淵中学校から大槌中学校へうちわのプレゼントがあり、土淵小中みんなで花道を作って臼澤さんと新田さんを見送りました。


第三部では、先生方や地域・保護者の皆さんに向けて、鈴木校長から、震災後の学校運営についてや今後の課題などのより具体的なお話をいただきました。
最後に、土淵中学校の生徒さんたちが交流会の後に書いてくれた感想文の内容をかいつまんで紹介したいと思います。
・あらためて自然の恐ろしさや日々の訓練の大切さを感じた。
・被災地ではどんな生活をしているかは詳しく知りませんでした。
・震災から2年がたっても、まだまだ復興は進んでいないと感じました。
・この2年間どれだけ苦労したのかが伝わってきた。
・この震災で失ったものはたくさんあるが、失ったものだけを考えるのではなく、失っていないまだあるものを考えて過ごしてほしい。
・失ったもの、取り戻せないものもあるが、それ以上に新たな人とのつながりや絆が生まれたのだと思った。
・私達も元気をもらった。
・ごく普通のことに思えることが、とてもありがたく幸せなことなんだと思った。
・前よりももっと温かい町になることを心より祈っています。
